市民と市の協働「まちづくり」のパイプ役をめざす、まちづくりよろず相談所
まちセン 国分寺市まちづくりセンター
ヤゴ救出作戦
2020/05/29
近年トンボの幼虫「ヤゴ」の救出が、環境学習の一環として全国各地の小学校で行われています。
学校のプールは、夏の水泳指導が終わった後も防火用水として貯水しているので、そこに落葉や土が溜まり、小さな生き物が棲みつくのです。「ヤゴ」もそんな生き物の一つです。
例えば、赤トンボ(アキアカネ)は秋に卵を産み、春にはヤゴになります。しかし、そのままにしておくと、水泳シーズン前のプール清掃のときに下水に流され死んでしまいます。そこで、清掃の前に「ヤゴ」を救出し、飼育して、トンボにしてあげよう、というのが“ヤゴ救出作戦”です。
プールは、止水系の赤トンボの他、シオカラトンボ、ウスバキトンボなどの生息場所になっています。トンボが一匹いるということは、そこにはトンボを支えるたくさんの生き物たちが、生態系という広いつながりの中で生きていることを示しています。田んぼや池沼が消えた都市部ではプールは貴重な水辺です。
ちなみに、国分寺市でも第五小学校、第九小学校では市民の協力の下、2~3時限の授業(3年生)として実施しています。 3時限コースの場合、1時限目は座学、トンボの一生などについて学びます。 2時限目には皆でプールに入って網で掬い(救い)ます。そして3時限目には採ったヤゴの観察をします。 その後は教室で飼育します。
教室内をトンボが飛び交う光景は一生忘れないことでしょう。生きた理科の学習というだけでなく、小さな命、そして自然を大事にする心を学べる素晴らしい学習ではないでしょうか。
ところで今年は、コロナ禍で学校が休校中のため先生と市民有志で実施しました。 (写真は5月28日の第五小学校での実施風景です)